御劔 光の風3

兵士の結末を知らされたのだ。

「…すまない。」

力なく投げ出された兵士の手をとってカルサは呟いた。

「…っすまない!」

叫びのような囁きは千羅たちの心をわし掴むように締め付ける。

人の気配が全くしないのは皆この兵士と同じ運命を辿ってしまったからなのだろうか。

そうでないと信じたい。

信じたいが誰の鼓動も気配も感じないのだ。

「探そう!俺はあっちを見てくる。千羅はカルサと一緒に。」

「分かった。」

「圭、行こう。」

貴未の声に千羅は答え、促された圭も頷いて彼の背中を追って歩き始めた。

去っていく足音に背中を押されるよう千羅は口を開く。

「…皇子、我々も。」

「ああ、行こう。」

確信はあったが、想像通りの姿に千羅は感心させられた。

口調も力強く、気持ちも多少の波はあるかもしれないが落ち着いている。

劇的に揺れた感情を抑え、いまやるべきことを目指して立ち上がったカルサはいつも通りの顔だったのだ。

そして目的がある様に歩き始めたカルサの背中を追って千羅は尋ねる。

「皇子、どちらに向かうつもりですか?」

一心不乱に前を進む姿は確かに何かを目指していた。

「玉座の間に行く。」

「玉座の間に?」

「おそらく全てを成し遂げたのだとしたら…そこにいる筈だ。俺ならそうする。」