御劔 光の風3

足が進むにつれて緊張からか全身に痺れのようなものが巡っている気がする、指先の痺れがじわじわと上がってくる感覚だった。

呼吸も荒くなり吐いた息が自分の耳に返ってくるような響きを感じる。

進めば進むほど眩しさが増していくようだ、強い光にリュナの目は細くなっていく。

やがて最後の布ごしには信じられないくらい大きな水晶が神々しく光っているのが見えた。

おそらくそれはリュナの背丈よりも大きく、内から力が飛び出したように外に向かっていくつもの水晶が鋭く突き出している。

これは力の象徴だろうか。

布を掴む手が震え、鼓動が高まり呼吸の乱れが大きくなる。

この動悸は緊張からか分からない、ただ向かう筈だった場所から目が離せなかった。

最後の一枚の向こう側にあるその状況は想像もしないものだ。

もう、ここまで来れば分かる。目の前にある大きな結晶、その中に人がいた。

「これは…っ。」

何だ?そう言おうとして言葉が詰まる。

震える両手が口を覆い信じがたいものを見ている目は大きく開いていた。

これが何か、目の前にいるのは誰かなんてそんなの一目見れば分かる。

今リュナが分からないのはこの状況だった。

「守麗王…玲蘭華…。」

掠れた声で口にした名は水晶の中にいる彼女に他ならない。

一体どういうことだ。

何故、彼女がこんな姿になっているのかが分からない。

震えが止まらない右手は静かに垂れ下がった布へ向かった。

行かなくては。

頭の端によぎったが、おおよそ本能に近い反応でリュナは一歩踏み出した。