御劔 光の風3

「ロワーヌは何故セリナに固執する?」

確かめたかった。

あの時レプリカは沙更陣に聞けと言っていた事を思い出し身体に震えが走る。

いま、リュナの全てが明らかになると心臓が飛び出しそうな中で覚悟を決めた。

受けとめる為に。

「娘だからだよ。」

少し俯いていた顔を上げてもう一度、沙更陣は答えた。

「セリナは…いまリュナと名乗るあの子は私とロワーヌの娘だ。」

考えるよりも先に反動でカルサは一歩足を引いてしまう。

しっかりと絡み合った沙更陣の目をみる限りそこに嘘偽りはない、それこそが真実であるとその目で訴えていた。

少し開いた口は何かを言おうとする思いの表れか、察した沙更陣はカルサの言葉を待った。

「リュナが…沙更陣とロワーヌの娘…?」

整理するように呟かれたカルサの言葉に沙更陣は頷く。

「環明がアバサに託す前、自分の風の力をセリナに渡したんだろう。光と闇の血を持つあの子には完全な光の属性である風の力は使えなかった。」

だからずっと弱い力のままでいたのだと続けた。

彼女の力が目覚めたのはヴィアルアイの封縛にあってから。眠っていたロワーヌの魔物の血が目覚め、遺伝子は組み変わっていった。

触れた闇の力の干渉が強すぎて闇寄りになってはいるが、今リュナの中には確かに二つの属性が存在している。

「おそらく風の力を完全に自分の中に取り込むことが出来て、あの子の力は強くなったんだと思う。」

カルサの脳裏に戦うリュナの姿が浮かんだ。強い力、回復して以来の彼女は戦士としてもかなり長けていた。

この為に封印され療養を経たのかと思うくらいに力を使いこなすようになったリュナを見て嫌な予感はしていたのだ。