膝の上で組まれた手に力が入ったのが見える。
「…見晴らしの山にある神殿が攻撃された痕があった。おそらくヴィアルアイはそこで玲蘭華たちを足止めしてからシードゥルサに向かったんだろう。」
神殿に入るための大扉の表面に傷こそついていたが中には入れなかったようだと沙更陣は続けた。
「その次にシードゥルサが襲撃されたときも僕はここから見ていた。…何も出来ずに申し訳なかった。」
元々俯き加減だった頭をさらに下げて沙更陣はカルサに自分の否を詫びる。
しかしそんなことをされたところで何も思わないカルサはただその姿を眺めるだけだった。
自己満足だ。
所詮は沙更陣の自己満足の謝罪だという思いがあり止めろと言う気すら起きなかった。
「玲蘭華は連れていかれたか。」
カルサの言葉に沙更陣は下げたままの頭で頷く。
やはり誰の見解も玲蘭華が生きていることに疑いはなかった。そしてこの場所に戻っていないのであれば連れ去られた可能性の方が高い。
なぜ連れ去られたのか、二人ともその言葉は発しなかった。
なんとなくだが理由は分かっている、ただそれは考えるだけで胸を締めつけるものだ。
「沙更陣。セリナとはリュナの事だな?」
カルサの声が空気をも裂くように沙更陣の胸に斬り込んでくる。
下を向いたままの沙更陣の表情が悲痛に歪み、謝罪の為にほどいた手は膝の上で確かに反応を示した。
「…そうだ。」
もう彼のその姿を見ているだけで心が騒めいて仕方がない。
おそらく今まで知らなかったことが全て明らかになる、その確信からカルサの中に緊張が走った。
逃げたい気持ちと進みたい気持ちがせめぎあう奇妙な感情はカルサを息苦しくさせる。
「…見晴らしの山にある神殿が攻撃された痕があった。おそらくヴィアルアイはそこで玲蘭華たちを足止めしてからシードゥルサに向かったんだろう。」
神殿に入るための大扉の表面に傷こそついていたが中には入れなかったようだと沙更陣は続けた。
「その次にシードゥルサが襲撃されたときも僕はここから見ていた。…何も出来ずに申し訳なかった。」
元々俯き加減だった頭をさらに下げて沙更陣はカルサに自分の否を詫びる。
しかしそんなことをされたところで何も思わないカルサはただその姿を眺めるだけだった。
自己満足だ。
所詮は沙更陣の自己満足の謝罪だという思いがあり止めろと言う気すら起きなかった。
「玲蘭華は連れていかれたか。」
カルサの言葉に沙更陣は下げたままの頭で頷く。
やはり誰の見解も玲蘭華が生きていることに疑いはなかった。そしてこの場所に戻っていないのであれば連れ去られた可能性の方が高い。
なぜ連れ去られたのか、二人ともその言葉は発しなかった。
なんとなくだが理由は分かっている、ただそれは考えるだけで胸を締めつけるものだ。
「沙更陣。セリナとはリュナの事だな?」
カルサの声が空気をも裂くように沙更陣の胸に斬り込んでくる。
下を向いたままの沙更陣の表情が悲痛に歪み、謝罪の為にほどいた手は膝の上で確かに反応を示した。
「…そうだ。」
もう彼のその姿を見ているだけで心が騒めいて仕方がない。
おそらく今まで知らなかったことが全て明らかになる、その確信からカルサの中に緊張が走った。
逃げたい気持ちと進みたい気持ちがせめぎあう奇妙な感情はカルサを息苦しくさせる。



