「沙更…。」
その瞬間、ロワーヌの手から滑り落ちそうになる傘ごと彼女を抱きしめて沙更陣の腕の中に納めてしまう。
少しひんやりとした感覚はいま自分がいる空間が半分魔界のものであるということを感じさせ余計に胸が苦しくなった。
「これなら少しは光を浴びなくてすむだろう?」
ロワーヌの頭上で囁く。
確かにロワーヌよりも頭一つ分背の高い沙更陣と彼の外陰によって光は遮られていた。
しかし身体の震えが治まっても心の震えは増すばかりだ。
「元になんて戻らない。全て…あの時から変わってしまった。」
ロワーヌの言葉に彼女を抱きしめる腕に力が入る、そこから彼の感情が伝わり頭上ですすり泣くような音が聞こえてきた。
「ごめん。あの時…君の手を離してしまったからだ。」
「貴方のせいではない。」
「違う、僕がもっとしっかり手を握っていれば!君たちを…っ!」
「沙更陣。」
痛い位に抱きしめ続ける沙更陣は何度も小さく首を横に振っては自分を責め続ける。
「結果として私たちは生きている。私もあの子も…だから沙更陣。」
背中に当てられたロワーヌの手の感覚に沙更陣は目を見開いた。それはほんの僅かな時間の幸福。
この手の中に失われていたものが戻ってきたと安らかになれた瞬間だったのに。
「私はセリナを連れていく。」
そして急に腕の中が軽くなって沙更陣は少し態勢を崩した。
その瞬間、ロワーヌの手から滑り落ちそうになる傘ごと彼女を抱きしめて沙更陣の腕の中に納めてしまう。
少しひんやりとした感覚はいま自分がいる空間が半分魔界のものであるということを感じさせ余計に胸が苦しくなった。
「これなら少しは光を浴びなくてすむだろう?」
ロワーヌの頭上で囁く。
確かにロワーヌよりも頭一つ分背の高い沙更陣と彼の外陰によって光は遮られていた。
しかし身体の震えが治まっても心の震えは増すばかりだ。
「元になんて戻らない。全て…あの時から変わってしまった。」
ロワーヌの言葉に彼女を抱きしめる腕に力が入る、そこから彼の感情が伝わり頭上ですすり泣くような音が聞こえてきた。
「ごめん。あの時…君の手を離してしまったからだ。」
「貴方のせいではない。」
「違う、僕がもっとしっかり手を握っていれば!君たちを…っ!」
「沙更陣。」
痛い位に抱きしめ続ける沙更陣は何度も小さく首を横に振っては自分を責め続ける。
「結果として私たちは生きている。私もあの子も…だから沙更陣。」
背中に当てられたロワーヌの手の感覚に沙更陣は目を見開いた。それはほんの僅かな時間の幸福。
この手の中に失われていたものが戻ってきたと安らかになれた瞬間だったのに。
「私はセリナを連れていく。」
そして急に腕の中が軽くなって沙更陣は少し態勢を崩した。



