御劔 光の風3

それを合図にしたのかヴィアルアイは右手を肩の位置まで上げて構えた。

彼の手が動いた瞬間に玲蘭華と沙更陣、そしてジンロは我に返り咄嗟に構える。

次の瞬間、空間を切り裂く程の強力な衝撃波が辺り一面に広がった。

ドォオンッ!

「きゃあああ!」

「うわあああ!」

御劔たちの叫び声が聞こえてくる。

全く殺気がない状態で力をぶつけてきたヴィアルアイだが、まるで玲蘭華が受け止める事が最初から分かっているようにその表情は余裕に満ちていた。

何という圧力だろうか、その赤い目の奥の妖しい光に恐怖さえ覚える。

「ついに来たか…っ!」

ジンロが玲蘭華を守るように彼女の前に出たのを見た沙更陣はすぐに自分の役割を判断して動いた。

「君たちはこっちへ!」

沙更陣は突然の出来事に頭がついていかず混乱の中にいる御劔たちを誘導することにしたのだ。

一刻も早く彼らを安全な場所に移動させなくてはいけない、その思いが焦りを生む。

「早く!!」

状況が把握出来ないまま後ろ髪をひかれるようにして御劔たちは沙更陣を追って走りだした。

「沙更陣様、今の二人は?」

「一体何が起こっているのですか?」

走りながら次々に御劔たちがその胸に抱いた疑問を尋ねてくる。

それも当然だ、明らかに異常な事態に何も思わない筈がない。しかしそれに対し素直に答える訳にはいかなかった。