切迫した雰囲気を感じてサルスはようやく身体を起こして耳をすませる。そして様子を窺いながらゆっくりと静かに扉に手をかけた。しっかりと閉じていなかったらしい扉は少し触れるだけで僅かな隙間を作る。
向こう側ではカルサが頭を抱えて蹲っていた。
「見たことも無い景色や人間が浮かんでくる。声も匂いも凄く鮮やかで…まるでそこに居たみたいに感じるんだ。」
「記憶…?…っカルサ、貴方まさか!?」
「ナル。…俺の名前をつけたのはナルだよな?」
カルサの言葉にナルが身を引いて両手で口を覆った。それは強い驚きを示してカルサが異変に気付く。ナルは何かを知っていると確信したのだ。
「カルサ…貴方いつからなの?」
「ずっと前からだ。少しずつ浮かぶものがあって最初は夢だと思ってた。でも…二人が死んでから一気に加速して…。」
そう言葉を止めると苦しみながらも顔を上げてナルの様子を見る、まるで探るような姿勢にナルの表情が曇っていくのが見えた。
「殆ど取り戻した。」
「…取り戻したって…カルサ。」
「ナル。どこまで知ってる?」
ナルの言葉を遮るようにカルサは強い口調で問いかける。まだまだナルよりも小さい身体だがその存在感は強く、かつてない威圧を与え大きく見えた。
「俺に嘘は通じないぞ。ナル。」
口にするのを躊躇うナルにカルサはさらに強い声で促した。やがて苦々しい表情をしたナルが固く目を閉じると震える息を吐く。それは緊張を表しているのだとサルスも気付いた。
「正直に言えば、詳しいことは何も知らないの。占いで視ようとすれば強い力で弾かれてしまって何も分からないまま。」
「でも邪魔をする者が誰かは知っている、そう言いたそうだな。」
「貴方の…貴方と深い関わりを持つ人だということは。」
向こう側ではカルサが頭を抱えて蹲っていた。
「見たことも無い景色や人間が浮かんでくる。声も匂いも凄く鮮やかで…まるでそこに居たみたいに感じるんだ。」
「記憶…?…っカルサ、貴方まさか!?」
「ナル。…俺の名前をつけたのはナルだよな?」
カルサの言葉にナルが身を引いて両手で口を覆った。それは強い驚きを示してカルサが異変に気付く。ナルは何かを知っていると確信したのだ。
「カルサ…貴方いつからなの?」
「ずっと前からだ。少しずつ浮かぶものがあって最初は夢だと思ってた。でも…二人が死んでから一気に加速して…。」
そう言葉を止めると苦しみながらも顔を上げてナルの様子を見る、まるで探るような姿勢にナルの表情が曇っていくのが見えた。
「殆ど取り戻した。」
「…取り戻したって…カルサ。」
「ナル。どこまで知ってる?」
ナルの言葉を遮るようにカルサは強い口調で問いかける。まだまだナルよりも小さい身体だがその存在感は強く、かつてない威圧を与え大きく見えた。
「俺に嘘は通じないぞ。ナル。」
口にするのを躊躇うナルにカルサはさらに強い声で促した。やがて苦々しい表情をしたナルが固く目を閉じると震える息を吐く。それは緊張を表しているのだとサルスも気付いた。
「正直に言えば、詳しいことは何も知らないの。占いで視ようとすれば強い力で弾かれてしまって何も分からないまま。」
「でも邪魔をする者が誰かは知っている、そう言いたそうだな。」
「貴方の…貴方と深い関わりを持つ人だということは。」



