御劔 光の風3

「操られている?」

「時々…意識を奪われる時があります。その間に何かをしているんでしょう、身に覚えのない事がよく報告されます。」

あの襲撃の時もそうだったと、強く拳を握り締めて声を震わせた。

「このままでは意識全てを奪われ何をするか分からない。これからは私が国を治めていかなければいけないのに…滅ぼしかねない!」

「殿下。」

「だから貴方に助けてほしいんです。貴方なら私かどうか見抜くことが出来る。無茶な命も止められる、代わりに治める事も。」

ハワードの言葉を遮ってサルスは訴え続けた。

焦り、そう呼ぶには少し違う。恐怖を身に纏いながら必死に戦おうとしている、懸命に訴えているのだ。その為には舵をとる人物が必要だとハワードに助けを求めている。

「私の参謀となり、監視して欲しい。」

それが願い。

「監視とは…穏やかではありませんな。」

展開に頭で理解出来ても気持ちが付いていかない。貴未から聞いてはいても受け入れることに必死で、まさか、そんな、本人から打ち明けられるとは思いもしなかったのだ。

「陛下が国を出る、継いでも私は長くはもたない。早く後継者を見付け育てないと国に影響が出てしまう。」

「後継者などと。」

「貴方なら…それが分かる筈だ。私がどれだけの思いで口にしているのかも。」

その姿にハワードは言葉を失ってしまった。

両手を眺め、手を握っては開く動作をサルスは何度となくしてみる。胸に深く刻んだ大切な言葉、それは幼少から今までずっと自分に言い聞かせてきたものだった。

きっとカルサもそうだろう、そう思うと尚更サルスは切なくなる。

「陛下と比べると私の手の中にあるものは到底、数としては及ばないでしょう。でも決して少ない訳ではない。」

両手ですくうような形を作り眺めた。それはさっきハワードがカルサにして見せたものを同じ動作だ。