御劔 光の風3

それはハワード自身も決めかねているもので、彼は目的地を目指し歩く中でもずっと考えを巡らせていた。

「殿下、ハワード様をお連れしました。」

これから大規模な会議を行う広間のすぐ隣、サルスはその部屋を一時的に貸し切っていた。中に繋がる扉を叩く音が響く。

「入れ。」

中から入室の許可が小さく聞こえ女官は微かに頷いた。

「失礼します。」

女官が開けた扉から険しい顔のハワード大臣が入っていく。完全に中に入ったのを確認すると女官は一例をして静かに扉を閉めて退室をした。扉が閉まる僅かな音が静かな部屋に響く。

「急に呼び立ててすまない。」

「いえ、どうされましたか。」

ああ、そう答えてサルスは少し沈黙の時を作った。

これだけで既にいい話でない事くらい安易に分かる。伏し目がちなサルスを見て再びハワードの中によぎる言葉、貴未から知らされた事の中にサルスの様子も含まれていた。

あのナルが残した手紙のことだ。

「ハワード大臣、貴方を信頼してお願いがあります。」

窓際にいたサルスは部屋の中程に立つハワードの許へ足を進め、そして正面に立ってまっすぐに視線をぶつける。深刻な表情でサルスが申し出た言葉がそれだった。

予想外な展開にハワードは思わず目を見開いて聞き返してしまう。

「願い、ですか?」

「はい。貴方にしか頼めません。」

「殿下?」

いつもと違うより丁寧な口調、立場を超えての言葉なんだと知らされる。尚更分からなくなり思わず目を細めた。

「簡潔に言います。私は何かに操られている。」

突然の告白にハワードの目は大きく開く。