御劔 光の風3

「瑛琳も出来るしリュナも出来る、先代の大地の神官バンも地玉を造れたらしい。」

「それが出来たら何かあんの?」

頭に浮かぶ疑問をそのまま千羅に投げた。

「力のバロメーターみたいなもんだよ。あの玉は自分の力を他人に使用させる事が出来るんだ。同系はもちろん、人に寄っちゃ少し素質があるだけで使えたりもする。勿論、その際には使用者にかなりの負担がかかるけどな。」

「…へー。」

「さっきまさにそんな出来事があったぞ。タルッシュとエプレットが光玉を発動させたらしい。」

「えっ!?」

貴未の驚きに千羅は片眉を上げてみせる、その状況が読めない貴未は瞬きを繰り返して次第には説明を求めるように目を細めた。

「重傷患者の部屋でな。俺たちが駆け付けた時には発動後だったが、光玉が使われたことによって治癒魔法がかけられたようだ。レプリカもそれで回復した。」

「えっ!?あれってカルサがやったんじゃないの?てっきり…えー…。」

「それだけ光玉に込められた力が強かったってのもあるけどな、使用者にもそれなりの能力がないと使えない。エプレットが言っていたが殆どタルッシュが負担を引き受けたそうだ。」

その言葉を聞いて貴未の脳裏に訓練に励むタルッシュの姿が浮かんだ。リュナの厳しい特訓に誰よりも強い気持ちで取り組み続けたタルッシュ、聖の言う様に特殊能力の強さはエプレットよりも彼の方が上だった。

それをタルッシュも分かっていたのだろう。だから自ら強い負担を受け入れたのだと貴未は目を細めた。

「…カルサは光玉を二人に渡してたってこと?」

「いや。エプレットにだ。ようやく二人の溝が埋まったんだろうな。それに手を貸したのはサルスだ。」

「サルス。」

武器庫でのやりとりを思い出し貴未は途端に暗い表情を見せる。それに気が付いた千羅は先にと口を開いた。

「知らされてもいないのにこの後の会議に皇子も出席するらしい。その合間にこうやって時間を有効活用していくんだと。自分が出来ることをやる。光玉は凄く精密な作業で…技術はもちろん強い力の持ち主でしか出来ない特殊な物だ。」

「うん。」

「あいつは国の民が強く奇跡を願った時に叶える、その奇跡自体を創ろうとしているんだよ。」