「それでは私はこれにて失礼します。お時間を頂きありがとうございました。」
締め括りをハワードに委ね貴未は彼の言葉を待つ。
「貴未、国を出る前にもう一度私の所に来てくれないか?」
話の流れで自分もカルサも、もうこの国には戻らないであろう事は伝えた。それを踏まえての事だろうが、別れを惜しんでいる言い方ではないように感じて不思議に思う。
「私一人で宜しいのですか?」
「ああ。」
貴未の問いに低い声で肯定した。やはり様子が違うがここで尋ねるのも無粋だろうと貴未は切り上げることにする。
「分かりました。必ず伺います。」
ハワードの頷きを確認すると貴未は勢い良く頭を下げた。感謝の気持ちから少し長く下げたままだったかもしれない。
顔を上げ敬礼をした後貴未は部屋を後にした。扉の向こうには女官がハワードの指示で控えている。貴未に気付いた彼女は軽く頭を下げた。
「もうすぐ出てくるから、ごめんね。」
貴未の言葉に微笑む事で答える、そんな彼女の対応に自分の心が和んだ気がした。そこから踏み出す一歩はまるで鉛のように重く感じる。
「あれで良かったのかな。」
歩きながら問いかけた。誰が答えるわけでもなく宙に浮いたままの貴未の疑問符はそのまま静かに降りてくる。やがて貴未は静かに翼を広げ、カルサの下へと飛んだ。
「皇子、貴未が来ます。」
そう、千羅の声が聞こえる。
一瞬にして移動した先はカルサの私室だった。窓際には腕を組んで壁に背中を預けた千羅がいる。部屋の主はソファにも座らずベッドに軽く腰掛けて、光を身にまとい自身に集中しているようだった。
「おかえり、貴未。」
「よ!離れてゴメン。」
「いや。」
千羅の声に招かれカルサを気にしながらも誘われるように千羅の方へと向かい横に並ぶ。カルサの傍に居るように頼まれていたが離れてしまったことをまず最初に詫びた。
締め括りをハワードに委ね貴未は彼の言葉を待つ。
「貴未、国を出る前にもう一度私の所に来てくれないか?」
話の流れで自分もカルサも、もうこの国には戻らないであろう事は伝えた。それを踏まえての事だろうが、別れを惜しんでいる言い方ではないように感じて不思議に思う。
「私一人で宜しいのですか?」
「ああ。」
貴未の問いに低い声で肯定した。やはり様子が違うがここで尋ねるのも無粋だろうと貴未は切り上げることにする。
「分かりました。必ず伺います。」
ハワードの頷きを確認すると貴未は勢い良く頭を下げた。感謝の気持ちから少し長く下げたままだったかもしれない。
顔を上げ敬礼をした後貴未は部屋を後にした。扉の向こうには女官がハワードの指示で控えている。貴未に気付いた彼女は軽く頭を下げた。
「もうすぐ出てくるから、ごめんね。」
貴未の言葉に微笑む事で答える、そんな彼女の対応に自分の心が和んだ気がした。そこから踏み出す一歩はまるで鉛のように重く感じる。
「あれで良かったのかな。」
歩きながら問いかけた。誰が答えるわけでもなく宙に浮いたままの貴未の疑問符はそのまま静かに降りてくる。やがて貴未は静かに翼を広げ、カルサの下へと飛んだ。
「皇子、貴未が来ます。」
そう、千羅の声が聞こえる。
一瞬にして移動した先はカルサの私室だった。窓際には腕を組んで壁に背中を預けた千羅がいる。部屋の主はソファにも座らずベッドに軽く腰掛けて、光を身にまとい自身に集中しているようだった。
「おかえり、貴未。」
「よ!離れてゴメン。」
「いや。」
千羅の声に招かれカルサを気にしながらも誘われるように千羅の方へと向かい横に並ぶ。カルサの傍に居るように頼まれていたが離れてしまったことをまず最初に詫びた。



