あの大臣の厳しい目を思い出してため息が出そうになった。確かにハワードの思うところ言うことは正しい。
「そうか、引き止めて悪かったな。」
「いえ!そんな…っ。」
女官の言葉もそこそこにカルサが通り過ぎていくと女官は態勢を戻して再び歩き始めた。それを背中で感じて眉を寄せる。今頃は貴未がハワードと話をしている頃だろう。そして彼女が着く頃には話が終わる筈だ、そう考えると自然と表情が暗くなった。
ハワードの言葉が頭の中で反響する。
外は珍しく晴れ間を見せているというのに、心は少しも晴れなかった。空に両手を掲げても何も感じない。目に何を映しても空しい。こんな気持ちではいけない事は分かっているのに、それが出来ない自分が情けなくて嫌になる。
憂いているような性格ではない。例え足元が崩れそうでも飛ぶしかないのだ。
崩れそうだからこそ、飛ぶしかないのだ。
「千羅、いるか?」
カルサは小さな声に反応した千羅はすぐに姿を現し恭しくお辞儀をしてみせた。
「ここに。」
「そっちの様子はどうだ?」
「準備は整いました。後は出発を待つのみです。」
「そうか。」
そう呟きカルサは再び外を眺める。千羅もそれに合わせ同じ様な目線になるよう立ち上がり銀世界を見つめた。今年は雪の期間が長い様な気がすると思いながらも横にいる主人の様子を窺う。
どこかおかしい、カルサの変化に千羅は気付いた。
「どうかされましたか?」
カルサの目が少し潤いを帯びたように見えたのは気のせいだろうか。不安になり千羅は声をかけずにはいられなかった。
「いや。」
カルサの声は少し震えていたか。
「そうか、引き止めて悪かったな。」
「いえ!そんな…っ。」
女官の言葉もそこそこにカルサが通り過ぎていくと女官は態勢を戻して再び歩き始めた。それを背中で感じて眉を寄せる。今頃は貴未がハワードと話をしている頃だろう。そして彼女が着く頃には話が終わる筈だ、そう考えると自然と表情が暗くなった。
ハワードの言葉が頭の中で反響する。
外は珍しく晴れ間を見せているというのに、心は少しも晴れなかった。空に両手を掲げても何も感じない。目に何を映しても空しい。こんな気持ちではいけない事は分かっているのに、それが出来ない自分が情けなくて嫌になる。
憂いているような性格ではない。例え足元が崩れそうでも飛ぶしかないのだ。
崩れそうだからこそ、飛ぶしかないのだ。
「千羅、いるか?」
カルサは小さな声に反応した千羅はすぐに姿を現し恭しくお辞儀をしてみせた。
「ここに。」
「そっちの様子はどうだ?」
「準備は整いました。後は出発を待つのみです。」
「そうか。」
そう呟きカルサは再び外を眺める。千羅もそれに合わせ同じ様な目線になるよう立ち上がり銀世界を見つめた。今年は雪の期間が長い様な気がすると思いながらも横にいる主人の様子を窺う。
どこかおかしい、カルサの変化に千羅は気付いた。
「どうかされましたか?」
カルサの目が少し潤いを帯びたように見えたのは気のせいだろうか。不安になり千羅は声をかけずにはいられなかった。
「いや。」
カルサの声は少し震えていたか。



