「何という事だ!」
囁くような叫びに貴未も同意して俯く。そう、悲劇と呼ぶにも等しい出来事なのだ。
「あの子を狙う輩からこの国を守るために出ていくということか。」
まだまだ整理のついていない頭の中で見えたことはそれだった。カルサが国を出る理由を知りハワードは苦々しい表情で唇を噛んだ。そしてそれがどれ程に厄介な相手なのかをナルの言葉や態度で思い知らされる。
生まれた疑問を留めておけずハワードは貴未の顔をみて口を開いた。
「貴未。あの子の力はどれ位強いか分かるか?」
「どれくらい、ですか?」
「ヴィアルアイという男が脅威的な力の持ち主ならば、あの子一人でどれくらい立ち向かえるのか。それが知りたい。」
ハワードの言葉に貴未は口が重たくなるのを感じる。それはハワードにも伝わったようで彼の目が揺らいだ。それだけで嫌な予感に胸が締め付けられた。
「特殊能力を持つ私たちから見てもカルサの力は強く、計り知れない物を感じます。でも…それでも、おそらく適わないでしょう。赤子の手をひねる…そこまで言いませんけど、色んな要因を含めてますけど、でもやっぱり相手にならないと思います。」
「…なんと。」
「だからこそ…殺さずにいたぶってんじゃないかって。…すみません。」
静かな怒りを抑えきれずに貴未は拳を自らの腿に打ち付けて大きく息を吐いた。その息が震えていることに気が付いたハワードは状況の悪さを感じ取って心臓をえぐられるような感覚にとらわれる。
ハワードはゆっくりと目を閉じ机に手をついて身体を支えた。
カルサが国を出ると言いだした時から嫌な予感はしていたのだ。何故出ていかねばならないのか、カルサは国王となってから極力国から出ようとしなかった筈。それは国を守るという事に強い責任感を持っていたからだとハワードは知っていた。
これまで幾度となくカルサの命を狙ってきた者はいたのは事実。
それを迎え討ち全て抑えてきたのだ。このシードゥルサで、この国から出る事もなく背負って戦い、時には兵を犠牲にしながらも勝ってきた。
この国を守るという責任が誰よりも強いことは周りも感じていたことだ。
囁くような叫びに貴未も同意して俯く。そう、悲劇と呼ぶにも等しい出来事なのだ。
「あの子を狙う輩からこの国を守るために出ていくということか。」
まだまだ整理のついていない頭の中で見えたことはそれだった。カルサが国を出る理由を知りハワードは苦々しい表情で唇を噛んだ。そしてそれがどれ程に厄介な相手なのかをナルの言葉や態度で思い知らされる。
生まれた疑問を留めておけずハワードは貴未の顔をみて口を開いた。
「貴未。あの子の力はどれ位強いか分かるか?」
「どれくらい、ですか?」
「ヴィアルアイという男が脅威的な力の持ち主ならば、あの子一人でどれくらい立ち向かえるのか。それが知りたい。」
ハワードの言葉に貴未は口が重たくなるのを感じる。それはハワードにも伝わったようで彼の目が揺らいだ。それだけで嫌な予感に胸が締め付けられた。
「特殊能力を持つ私たちから見てもカルサの力は強く、計り知れない物を感じます。でも…それでも、おそらく適わないでしょう。赤子の手をひねる…そこまで言いませんけど、色んな要因を含めてますけど、でもやっぱり相手にならないと思います。」
「…なんと。」
「だからこそ…殺さずにいたぶってんじゃないかって。…すみません。」
静かな怒りを抑えきれずに貴未は拳を自らの腿に打ち付けて大きく息を吐いた。その息が震えていることに気が付いたハワードは状況の悪さを感じ取って心臓をえぐられるような感覚にとらわれる。
ハワードはゆっくりと目を閉じ机に手をついて身体を支えた。
カルサが国を出ると言いだした時から嫌な予感はしていたのだ。何故出ていかねばならないのか、カルサは国王となってから極力国から出ようとしなかった筈。それは国を守るという事に強い責任感を持っていたからだとハワードは知っていた。
これまで幾度となくカルサの命を狙ってきた者はいたのは事実。
それを迎え討ち全て抑えてきたのだ。このシードゥルサで、この国から出る事もなく背負って戦い、時には兵を犠牲にしながらも勝ってきた。
この国を守るという責任が誰よりも強いことは周りも感じていたことだ。



