「はい。いってらっしゃいませ。」
顔を隠すように頭を下げると上の方から優しく漏らしたため息が聞こえてきた。
「ナル様。本日の公務が終わった後…伺っても宜しいでしょうか。」
「本日…ですか?」
「はい。色々とお聞きしたいことも…お願いしたいこともございます。」
カルサのことだ、真剣な面持ちにナルはそれが何を示しているのか察知した。そしてデルクイヤのあの言葉も強く心に引っかかっているのだろう。
「分かりました。お待ちしております。」
自然と身体に力が入り気を引き締める。軽く頭を下げた後、ハワードは背を向けて静かに去って行った。
一抹の不安を覚える。ナルは気持ち急ぎ足で部屋に戻るとすぐさま占いに取り掛かった。水、カード、水晶、念、あらゆる手段を使ってこの先を探ろうとする。しかし。
「…駄目だわ。見えない。」
何かが邪魔をしている、しかしそこを乗り越える為の手段はあるような気がして一度占いから離れることにした。
熱いお湯をカップに注いで少し慎重に喉を通していく。気持ちを切り替えなくては見えるものも見えなくなりそうでナルは大きく息を吐いた。その時、来客を知らせる音が響く。
「はい、どうぞ。」
カップを置いてそう返事をする、ゆっくりと開かれた扉から入ってきたのはハワードだった。
「…失礼。取り込み中でしたか。」
驚いて固まったままのナルを見つめながらハワードは申し訳なさそうに呟く。ナルは慌てて首を横に振り彼をソファへと通した。
「もう夜でしたのね。全く気が付かなくて…申し訳ありません、驚いてしまいました。」
窓を覆っていた布を外して外を見ればやはりとうに日は暮れていたようだ。夜空に瞬く星の光がその時間の流れをナルに告げている。今日はいい天気だったのだと初めて気が付いた。
「集中して…何を占っておいでで?」
「…色々と。思うところも気遣うところもございますので。」
この言葉だけで察してほしいという願いを込めてナルは小さく頭を下げる。ハワードはその言葉を受け入れ、それ以上は追究しようとしなかった。
顔を隠すように頭を下げると上の方から優しく漏らしたため息が聞こえてきた。
「ナル様。本日の公務が終わった後…伺っても宜しいでしょうか。」
「本日…ですか?」
「はい。色々とお聞きしたいことも…お願いしたいこともございます。」
カルサのことだ、真剣な面持ちにナルはそれが何を示しているのか察知した。そしてデルクイヤのあの言葉も強く心に引っかかっているのだろう。
「分かりました。お待ちしております。」
自然と身体に力が入り気を引き締める。軽く頭を下げた後、ハワードは背を向けて静かに去って行った。
一抹の不安を覚える。ナルは気持ち急ぎ足で部屋に戻るとすぐさま占いに取り掛かった。水、カード、水晶、念、あらゆる手段を使ってこの先を探ろうとする。しかし。
「…駄目だわ。見えない。」
何かが邪魔をしている、しかしそこを乗り越える為の手段はあるような気がして一度占いから離れることにした。
熱いお湯をカップに注いで少し慎重に喉を通していく。気持ちを切り替えなくては見えるものも見えなくなりそうでナルは大きく息を吐いた。その時、来客を知らせる音が響く。
「はい、どうぞ。」
カップを置いてそう返事をする、ゆっくりと開かれた扉から入ってきたのはハワードだった。
「…失礼。取り込み中でしたか。」
驚いて固まったままのナルを見つめながらハワードは申し訳なさそうに呟く。ナルは慌てて首を横に振り彼をソファへと通した。
「もう夜でしたのね。全く気が付かなくて…申し訳ありません、驚いてしまいました。」
窓を覆っていた布を外して外を見ればやはりとうに日は暮れていたようだ。夜空に瞬く星の光がその時間の流れをナルに告げている。今日はいい天気だったのだと初めて気が付いた。
「集中して…何を占っておいでで?」
「…色々と。思うところも気遣うところもございますので。」
この言葉だけで察してほしいという願いを込めてナルは小さく頭を下げる。ハワードはその言葉を受け入れ、それ以上は追究しようとしなかった。



