御劔 光の風3

「この子は私とユーセシリアルの子だ。勿論ハーブも私たちの大切な娘だ。でも君たちには私たちと同じ様な気持ちでハーブにもカルサにも接してほしいと願っている。それはユーセシリアルも同じ思いだ。」

「…と、申されますと。」

「ハワード、我が子の様にハーブとカルサに接してほしいと願っているんだよ。」

デルクイヤの言葉にハワードもナルも驚きで息を飲んだ。

「そんな…!恐れ多い!」

「我が子の様に叱り、褒め、愛してやって欲しい。私は君にそうされて凄く嬉しかったんだ、ハワード。だから二人にも同じ様に特別視することなく接してやって欲しい。」

「ナル、貴女にもそう願っているの。」

ユーセシリアルの言葉にナルの瞳が揺れる。

「控えめながらも貴女は私のことを諭したりしてくれた。勝手にも私は姉の様に貴女を頼っているのよ。」

「そんな…勿体ないことです。」

「信用していなかったらこんなことは言わない。私たちが居なくなっても、親の様に頼れる拠り所をこの子たちに残してあげたいんだ。」

何かを察知したような言葉にハワードは思わずナルの方を見つめた。しかしナルにも身に覚えのない未来の話に慌てて首を横に振って知らされていないことを表す。

その様子を見てデルクイヤとユーセシリアルは微笑んだ。

「気にするな、病気でもなんでもない。もしもの時を考えて発した言葉だ。」

「…縁起でもない。」

叱るようなハワードの言葉にデルクイヤは笑い、お前のそういうところが好きなのだと軽くかわした。

「これからも末永く頼むよ。」

最後にその言葉を貰ってハワードとナルはユーセシリアルの部屋を後にしたのだ。

部屋を出た後も二人の間に会話が生まれることなく分かれ道の場所まで来てしまった。複雑な思いが全身に広がって目眩がしそうだ。混乱と戸惑いと幸福と、まず何から整理しようかと考えているだけでもあっという間に時間は過ぎる。

「では…私はこれで。」

低い声にようやくナルは我に返って慌てて振り向いた。横に並んでいたハワードはあの頃と変わらずの視線の高さで懐かしさにトキメキそうになる。