「カルサトルナス様…と仰るようです。」
「カルサトルナス…。」
何の縁があるのかデルクイヤを含む王家代々に引き継がれてきた名前が含まれていたことに場の空気は変化した。
シードゥルサはいつからかトルナス家が王族として統治している国だ、神話に出てくる神の名から貰った物かもしれないが、生まれたばかりの赤ん坊が途端に特別なものに思えて仕方なかった。
「私たちの生きるこの国とは別の次元に決して交わることのない国々は多く存在します。互いに異なる空間に存在することから、それぞれを世界と呼ぶようになりました。世界でもこの国と同じ様に稀に人とは違える特殊な力を持つ者が存在します。私の様な者もいるでしょう。その中でも特別と言われている神に近い存在があります。」
「神?」
ナルの長い言葉に戸惑いながらもデルクイヤは懸命に理解しようと耳を傾けた。彼の問いにユーセシリアルは腕の中で眠る生まれたばかりの我が子を見つめる。
「御劔。神々の末裔をそう呼び、私たちと同じ時代のどこかの世界で生きています。…王子はその中のお一人、雷神様でいらっしゃると存じます。」
そう言うとナルは恭しく頭を下げた。
雷神、御劔、末裔、聞き慣れない言葉や驚きを隠せない事実にそれぞれが頭の中を整理すべく声にして音が生まれる。主に聞こえてくるのはデルクイヤの声、そして不思議そうに呟くハーブもところどころに登場していた。ユーセシリアルは胸の内で繰り返しているのか声を発してはいない。
幼い頃から言われてきた力を持つ者は孤独になるという言葉がナルの中で思い出され頭の中で反響する。
「…名前を…どうしようかしら。」
暫くして不意にユーセシリアルから声がし、俯きがちだった全員の顔が上がり彼女に集中した。
「ねえ、ナル。この子はどんな名前が気に入るかしら。」
相談の様に思えて違っていたように感じる、おそらく彼女は我が子のこれからの未来を考えての導きを求めているのだと分かった。
「カルサ…様が宜しいのではないでしょうか。」
それはナルの直感だった。深く考える訳でも無く口からこぼれた言葉にユーセシリアルは嬉しそうに微笑んで我が子を見つめる。
「カルサ。いいわね…貴方の名前はカルサ。」
「…カルサトルナスという名前には希望の光という意味がある様です。」
「希望の光?素敵ね!貴方は光の神、皆の希望になって欲しいわ。」
ユーセシリアルは愛おしそうに頬を撫でながら、そっと優しく額に口付けた。その姿がとても神聖なものの様に思えてナルは思わず目を細める。
「カルサトルナス…。」
何の縁があるのかデルクイヤを含む王家代々に引き継がれてきた名前が含まれていたことに場の空気は変化した。
シードゥルサはいつからかトルナス家が王族として統治している国だ、神話に出てくる神の名から貰った物かもしれないが、生まれたばかりの赤ん坊が途端に特別なものに思えて仕方なかった。
「私たちの生きるこの国とは別の次元に決して交わることのない国々は多く存在します。互いに異なる空間に存在することから、それぞれを世界と呼ぶようになりました。世界でもこの国と同じ様に稀に人とは違える特殊な力を持つ者が存在します。私の様な者もいるでしょう。その中でも特別と言われている神に近い存在があります。」
「神?」
ナルの長い言葉に戸惑いながらもデルクイヤは懸命に理解しようと耳を傾けた。彼の問いにユーセシリアルは腕の中で眠る生まれたばかりの我が子を見つめる。
「御劔。神々の末裔をそう呼び、私たちと同じ時代のどこかの世界で生きています。…王子はその中のお一人、雷神様でいらっしゃると存じます。」
そう言うとナルは恭しく頭を下げた。
雷神、御劔、末裔、聞き慣れない言葉や驚きを隠せない事実にそれぞれが頭の中を整理すべく声にして音が生まれる。主に聞こえてくるのはデルクイヤの声、そして不思議そうに呟くハーブもところどころに登場していた。ユーセシリアルは胸の内で繰り返しているのか声を発してはいない。
幼い頃から言われてきた力を持つ者は孤独になるという言葉がナルの中で思い出され頭の中で反響する。
「…名前を…どうしようかしら。」
暫くして不意にユーセシリアルから声がし、俯きがちだった全員の顔が上がり彼女に集中した。
「ねえ、ナル。この子はどんな名前が気に入るかしら。」
相談の様に思えて違っていたように感じる、おそらく彼女は我が子のこれからの未来を考えての導きを求めているのだと分かった。
「カルサ…様が宜しいのではないでしょうか。」
それはナルの直感だった。深く考える訳でも無く口からこぼれた言葉にユーセシリアルは嬉しそうに微笑んで我が子を見つめる。
「カルサ。いいわね…貴方の名前はカルサ。」
「…カルサトルナスという名前には希望の光という意味がある様です。」
「希望の光?素敵ね!貴方は光の神、皆の希望になって欲しいわ。」
ユーセシリアルは愛おしそうに頬を撫でながら、そっと優しく額に口付けた。その姿がとても神聖なものの様に思えてナルは思わず目を細める。



