御劔 光の風3

「いや。どちらでも構わない。これから行くのか?」

「いや、もう行ってきた。瑛琳とこにいるよ。」

あまりの仕事の早さにカルサたちは驚きを隠せなかった。そんな彼らをよそに貴未の意識はレプリカに向けられる。

「古の民だって?」

「はい。」

貴未の言葉にレプリカは真っすぐ答えた。貴未は微笑みレプリカに手を差し伸べる。

「カリオ出身なんだ。」

表情が変わるレプリカのその反応を見て貴未の考えはまとまった。

「カルサ、話は進んだ?まだ続きそう?」

「だいたいは終わった。どうかしたか?」

「レプリカも連れていこう。カリオを知ってるってことは神官の関係者だろ?」

鋭く光る貴未の目はいつもと変わらない笑顔の中にも責め突き立てる圧力を感じる。レプリカもそれに感化されるように神経を研ぎ澄ませた。

「環明様にお仕えしておりました。」

貴未の笑顔は油断できない、千羅とはまた違う強さを兼ね備えていた。それを悟ったレプリカは緩んでいた気を引き締める。

「決まり。」

貴未の言葉に促されレプリカは差し出された貴未の手を取った。貴未は背中でカルサと千羅を呼ぶ。

ついさっきまで負の感情に身を委ねていた。いつまでもそれに酔い痴れている場合ではない、悩むのは後回しにして先に現状把握しなければ。それを貴未は言いたいのかもしれない。

有無を言わせない貴未の言葉に従い、その場にいた全員が貴未の肩に触れて姿を消した。

ほんの一瞬の出来事だろう、瞬きをするほどの感覚でもう景色が変わっている。

「おまたせー!」

いつのまにか大聖堂に自分がいる事に気付き、ここへ来るのは2回目だと頭の中でレプリカは呟いた。前回はちゃんと周りを見る事が出来なかったが、改めて見ると豪華で丁寧な造りにため息が出そうになる。

何故か懐かしい感じもした。ゆっくりと視線を横に流していくと一際目を引く瞬間があった。よく目を凝らしてみると人がいるのが分かる。