御劔 光の風3

次の目的に向かって道が見えたおかげで誰の目にも力が宿り思いは一つになっている。やるべきことは情報収集と立て直しだった。それが自分たちにとって一番の近道だと信じている。

「各自状態を整えてから動いてくれ。俺は今から上でもう一度情報を得てくる。」

カルサが立ち上がると続くように周りも立ち始めた。カルサは振り返ってその瞳の中にナルの姿を映す、そして階段を下りて瑛琳の横に立ち彼女と同じ目線で願った。

「ナルを頼む。」

その切ない表情に瑛琳は思わず目に涙を浮かべ、たまらず頭を下げる。

やがてカルサが足を進み始めると、千羅は瑛琳の肩を優しく叩いてカルサの後に付いていった。いつしか二人の姿は消えて残された貴未も足を進め始める。

「よし、じゃあ行くか!マチェリラ!」

「駄目よ、貴未は少し休まないと!」

先に歩く貴未を止めるようにマチェリラは彼の腕を掴んだ。貴未はゆっくりと振り返り優しく微笑んで何でもないと手を振る。

「今回は付き添いだもん。働くのはマチェリラ。休みみたいなもんだって。」

「でも!」

「大丈夫。」

続きを言おうとするマチェリラの声を止めたのは、寂しげな貴未の笑顔だった。何も言えなくなったマチェリラの手が力なく離れていく。

「貴方の部屋に食事を用意しておいたわ。」

見かねた瑛琳が微笑みながら声をかけた。

「貴未。せっかくだから食べていったら?」

状況が飲み込めずに貴未とマチェリラは目を丸くさせて瑛琳の方を見ていた。それでも淋しく微笑んだままの瑛琳の姿を見て理解をする。貴未は微笑み、手を挙げた。

「分かった、そうする。ありがと瑛琳!」

「ありがとう。」

瑛琳も答えるように手を挙げた。何を意味しているのか理解したマチェリラも微笑み感謝の言葉を残すと貴未と共に姿を消す。せめて食事をとる時間だけでも彼の身体を休めて欲しい、そう願っての言葉だと伝わったのだ。