御劔 光の風3

しかしエプレットは答える前に兵士は強い口調で付け足した。

「いや、余計な事は聞きません。あの方は陛下の味方ですよね?」

一介の兵士とは思えない鋭い眼差し、エプレットは軽々しく対応するのをやめ真摯に向き合うことにした。

「ああ。我々以上に近い存在だ。」

嘘を言わない真剣な眼差し、本心で答えてくれた事に気付いた兵士は微笑んだ。

「負けていられませんね。」

「そうだな。」

柄を握る手に力が入る。千羅の戦う姿を感じながら彼らもまた大きな身体で押し寄せる敵と向かい合うべく声を張り上げた。

外で千羅たちが交戦している中、カルサは民の部屋の中に入り混乱を目の当たりにする。

またいつかの時のように民は震え不安に押しつぶされそうになっていたが、あの時と違うのは誰も兵士を責めたりしていないという事だった。

「陛下!」

女官の一人が声をあげる。カルサは頷き部屋の中心に歩いていき、騒めきの中で民の意識を自分の許へ集まるように速度を調整した。

現状を聞き把握した上でそれぞれ兵士たちに役割を与えて部屋の中の体勢を明確にする、そして壊れつつあった結界を張り直してカルサは部屋を後にしたのだ。

「あそこはカルサの結界だったんだな。そうか、聖の結界は…。」

「結界石を使ったものだった。」

貴未の言葉に付け足すようにカルサは呟いた。

「だから無事だったって理由か。で、リュナはどうした?」

貴未の問いにカルサは何も言わずに首を横に振る、その姿を見た貴未は少し肩を落としてしまった。

「外の魔物を倒しきった後、どこかに行ったみたいだ。皇子が桂を送ったんだが…。」

「自分のやるべき事をすると、姿を消したらしい。」

千羅の言葉にカルサが付け足す。最初走りだした目的はレプリカを探していたからのようだが、レプリカを見つけた後に様子が変わり姿を消した、と続けた。