御劔 光の風3

後ろの異変にレプリカが気付いて声をかけた。

「リュナ様?」

「なんでもないわ。陛下の居場所も分からなくなったし、こんな戦場じゃもう探せないと思って。」

「そうですね。」

「とにかく降りて探しましょう。」

リュナの言葉で二人は走りだしたがリュナの頭からライムの存在が離れなかった。

彼女の言葉のすべてが意味深なものに聞こえている。

気になる事は色々あった、しかし中でも気になるのは最後の言葉。

「玲蘭華様…か。」

走りながらもれた小さな言葉、あの時確かにライムはそう言ったと思う。

何故だろう、彼女は御劔で自分たちの仲間なのだろうか。だとしたら、この襲撃に一体何の意味があるのか。それはカルサになら分かるのだろうか。空はいつになく薄暗く覆いつくされ国中が不穏な空気に包まれているようだ。

「レプリカ、貴方は民の部屋に行って。」

リュナの声が大きく響く、レプリカはもちろん反論せずにはいられなかった。

「リュナ様!」

「足と腕、そのままじゃ危ないわ!一度手当てしてもらわないと。」

リュナの指摘するようにレプリカは走り方もおかしくなり、左手で右腕を支えるほどに深手を負っているようだ。このままの状態では明らかに戦力になりえない。

それはレプリカ自身が一番良く分かっていた。今だって精一杯の力と気力で立っている、それでも盾になる事はできるとここにいるのだ。

「リュナ様、私は!」

「レプリカ、これ以上私に言わせないで。」

全てを踏まえた上での言葉、それを言われるとレプリカは何も言えなくなってしまい肩が落ちる。悔しさから表情が歪み、感情の昂りで涙が出そうになった。