「お付きの役目をエプレット殿に譲ってもらいました。」
「エプレット?名乗ったのか?」
「はい。」
ナータック相手にもなかなか姿を見せようとしなかった千羅だったが、こうも短期間でエプレットの前に現れ名を名乗るなんて思いもしなかった。
目を大きくして驚きを隠せないカルサに千羅が微笑む。
カルサの周りでの嬉しい変化だ、こんな状況だが気持ちが温かくなって少し和んだ。
しかしそれもほんの僅かな時間だったらしい。
「皇子、誰か来ます。」
千羅が呟いた瞬間、二人の目の前に貴未とマチェリラが姿を現した。
「カルサ!」
その表情は少し厳しい。だいたいの見当を付けながらカルサは貴未の言葉を待った。
「マチェリラが凄い事を教えてくれた。」
カルサはマチェリラの方を見る、彼女もまたいつもと様子が違い内容の緊迫さを臭わせていた。
マチェリラの様子を窺い貴未に視線を戻す前に待ちきれず貴未が口を開く。
「お前知ってたのか?リュナが古の民だって。」
カルサの世界から音が消えた。
今、何と言ったのだろう。
目に映っていたマチェリラは苦々しい表情で目を細めながらカルサを見つめている。
ようやく映した貴未は興奮しているのか少し息が上がっていた。
「リュナが?古の民?」
一番最初に反応を示したのは千羅、そしてゆっくりと伺うようにカルサの方を見た。
「エプレット?名乗ったのか?」
「はい。」
ナータック相手にもなかなか姿を見せようとしなかった千羅だったが、こうも短期間でエプレットの前に現れ名を名乗るなんて思いもしなかった。
目を大きくして驚きを隠せないカルサに千羅が微笑む。
カルサの周りでの嬉しい変化だ、こんな状況だが気持ちが温かくなって少し和んだ。
しかしそれもほんの僅かな時間だったらしい。
「皇子、誰か来ます。」
千羅が呟いた瞬間、二人の目の前に貴未とマチェリラが姿を現した。
「カルサ!」
その表情は少し厳しい。だいたいの見当を付けながらカルサは貴未の言葉を待った。
「マチェリラが凄い事を教えてくれた。」
カルサはマチェリラの方を見る、彼女もまたいつもと様子が違い内容の緊迫さを臭わせていた。
マチェリラの様子を窺い貴未に視線を戻す前に待ちきれず貴未が口を開く。
「お前知ってたのか?リュナが古の民だって。」
カルサの世界から音が消えた。
今、何と言ったのだろう。
目に映っていたマチェリラは苦々しい表情で目を細めながらカルサを見つめている。
ようやく映した貴未は興奮しているのか少し息が上がっていた。
「リュナが?古の民?」
一番最初に反応を示したのは千羅、そしてゆっくりと伺うようにカルサの方を見た。



