「ご苦労。」
労いの言葉と共に現れたカルサに目を大きくして兵士は身体を揺らす。
空は暗い。辺りを見回して一つの方向から黒い影が迫ってきているのが分かった。
元凶はそこにある、そしてその道は城へと続いて既に城内でも戦闘の声が聞こえだしていた。
次第にカルサの表情が厳しくなる。
「陛下、あれは一体何ですか?」
見たことも感じたこともない雰囲気に見張りの兵士も不安になっていた。
それもそうだ、この状況で不安にならない者はそういないだろう。
「あれは魔物だ。」
カルサは問いに簡潔に答え、まるで拝むように胸の前で手を合わせた。
やがてカルサの身体は淡い光を放ちいつしかその光は城を囲うように城壁沿いに行き渡っていく。
今まで冷静な顔つきだったカルサに一瞬だけ力が入ると、その瞬間に城上空まで半透明の光に包まれた。
目の前で起こった初めて見る光景に兵士は口を大きく開けて立ち尽くしている。
「結界を張った。これである程度侵入は防げるはずだが、そんなには甘くない。油断するな。」
「は、はい!」
初めて目の当たりにしたカルサの力に兵士は圧倒されていた。噂に聞いていた通りやっぱり雷神なのだと改めて認識させられる。
再び見張り台から城下の景色を眺め微かに目を細めた。
少し前には同じような景色をリュナと寄り添って見ていたのに、変わり映えしない雪景色は空の暗さをも和らげるほど白く輝いている。
労いの言葉と共に現れたカルサに目を大きくして兵士は身体を揺らす。
空は暗い。辺りを見回して一つの方向から黒い影が迫ってきているのが分かった。
元凶はそこにある、そしてその道は城へと続いて既に城内でも戦闘の声が聞こえだしていた。
次第にカルサの表情が厳しくなる。
「陛下、あれは一体何ですか?」
見たことも感じたこともない雰囲気に見張りの兵士も不安になっていた。
それもそうだ、この状況で不安にならない者はそういないだろう。
「あれは魔物だ。」
カルサは問いに簡潔に答え、まるで拝むように胸の前で手を合わせた。
やがてカルサの身体は淡い光を放ちいつしかその光は城を囲うように城壁沿いに行き渡っていく。
今まで冷静な顔つきだったカルサに一瞬だけ力が入ると、その瞬間に城上空まで半透明の光に包まれた。
目の前で起こった初めて見る光景に兵士は口を大きく開けて立ち尽くしている。
「結界を張った。これである程度侵入は防げるはずだが、そんなには甘くない。油断するな。」
「は、はい!」
初めて目の当たりにしたカルサの力に兵士は圧倒されていた。噂に聞いていた通りやっぱり雷神なのだと改めて認識させられる。
再び見張り台から城下の景色を眺め微かに目を細めた。
少し前には同じような景色をリュナと寄り添って見ていたのに、変わり映えしない雪景色は空の暗さをも和らげるほど白く輝いている。



