御劔 光の風3

早急に決めなければいけないことは山ほどある、この判断で結末が大きく変わるのだ、集中して先を見極めなければ。

カルサは流れるように目を通して今いる人物の顔と照らし合わせた。

「エプレット、伝令役を集めてくれ。」

「はい。」

「兵士の配置を変更する。今から各担当をあてていくが異論意見はその都度挙げてくれ。」

カルサのその言葉を合図にそれぞれが自分にあてられた役割を理解しようと努める態勢を持った。

そこにはもうさっきまでの殺伐とした雰囲気はない。

この異常な事態を乗り越えるべく一つの方向を作られた人々はむしろ安心感さえも覚えていた。

武具、配膳、見張り、記録、言われたように各々が自分の持ち場へ移動しようとした瞬間、老大臣の声が足を止めさせる。

「では持ち場に。」

「陛下、その前に一つ。」

「何だ?」

答えたのはもちろんカルサだった。

「地下道を渡って城に避難する者がおります。」

以前の嵐の襲撃の際に、集落から城へのライフラインが大きな課題となった。

そこで作られたのが城と各集落を結ぶ地下道、魔物の襲撃を受け城に避難しようとする民たちが続々とそれを使って向かって来ているという。

「確かに…城への避難が確実かもしれないが今回の標的はここだ。決して安全とは言えない。どうしますか陛下。」

「仕方ない、受け入れて広間へ案内しよう。聖を呼んで結界を張らせる。」

サルスが言うことに間違いはない。

しかし向かって来ている者たちをいまさら引き返せというには代償が大きすぎると判断した。

どれだけの荷物を持っているかも分からない、集落に引き返せる体力が残っているのかも分からない。なにより城に辿り着いている者を帰すのはやはり躊躇われた。