御劔 光の風3

これも魔物の出没が影響なのだろうか。

そしてリュナはどういう風に感じているのだろうか。

「しかし陛下…今までどちらに?ナルの所に訪ねても誰もいなくて困っていたんです。」

サルスの質問に目を大きくして驚きながらもカルサはすぐに冷静さを装いまた詫びる言葉を繰り返した。

「すまなかった。」

実際ナルの所に居なかった以上はそれしか言いようがない。

「紅もいないと聖が心配していましたよ。」

続けてサルスから与えられる情報にカルサは少なからず不安を覚えた。

ナルがいない、紅を連れてどこかに身を隠したのだろうか、それとも既に何者かによって連れ去られたのだろうか。

千羅と貴未を見送りに行く為の口実として名を使わせてほしいと願い出た時にはナルは快く引き受けてくれた。

何か言われても適当にあしらっておくと胸を叩いて見せた様子からすると席を外す予定はなかった筈だ。

本人の意思があってか他人の手によってかは分からないが原因が明確でない以上不安は付きまとっている。

この非常事態をナルが見逃す訳がない。きっと何か理由があってどこかに身を潜めているか何か対策を打っているに違いないだろう。

そう思うことでここは凌ぐしかないとカルサは腹を括った。

「聖にも詫びておく。」

カルサの思いはサルスにも伝わったのだろうか、そうしてくださいという会話の終止符を打つとともにサルスは視線を机の上に移した。

詳しく話していないがサルスにも私用で席を外すことは伝えてある、それ故聞き出せないことも言い出せないこともあるだろうと質問するようにしてナルの情報を渡してくれたのだ。

胸の内で感謝の言葉を呟くとカルサもまた机の上の資料たちに目を移した。