辛く苦しい幼少時代は周りの大人と戦ってばかりだった。
矢面に立つのはいつも最年少であるカルサ、それが悔しくて許せなくてよく暴走しそうになっていたのをハーブが止めてくれていた気がするとサルスは笑う。
「王族が男同士でまとまるなと嫁にいくその朝まで言い続けていたよ。懐かしい。」
城を去る姉を乗せた馬車を見えなくなるまでカルサと並んで見送った、その時の感情は今でも大切に心の真ん中に置いてある。
感謝の気持ちと責任の重さを、自分以上のものを背負う年下のカルサに対して生涯を捧げようと思った。
「分かりにくいだろうけどカルサは誰よりも繊細で傷付きやすい。だから気付く。君の考えも感情も全て筒抜けだと思った方がいい。」
エプレットの背中を冷たい汗がつたっていく。
精一杯分からないようにしていたつもりだが全て知られていたのだ、そしてそのことに気付きながらも何事も無いように接してくれていたのだ。
カルサはどんな気分で過ごしていたのだろう、居心地が悪い空気の中でもエプレットを追い出そうとすることは一切しなかった。
それは一体どういう意味なのかはサルスが明かす。
「俺の為になると思って…君を置いているんだろうな。」
サルスを敬愛していることは既にお見通しだったのだ、自分に向けられる敵意に近いものも全て分かった上でこの先を考えて我慢をしていた。
エプレットは自分が情けなくなりたまらず口元を手で隠した。
何か言葉を発してしまえば涙がこぼれる、しかし熱くなった瞼は既に感情を大きく揺さぶっていた。
「少しでもカルサを分かってくれたのなら精一杯助けてやってくれ。優し過ぎる国王陛下は君を捨て置くようなことは決してしない。」
「はい。」
やっとの思いで絞り出した声は震えて上ずってしまう。
気持ちを入れ替えよう。
自己中心的になってしまった心を整理して新たな気持ちでカルサに仕えようとエプレットが決意したその時だった。
二人しかいない執務室の扉を叩く強い音が聞こえる。
只事ではないその様子に一瞬にして室内の空気は緊張した。
「陛下!殿下!大変です!!」
矢面に立つのはいつも最年少であるカルサ、それが悔しくて許せなくてよく暴走しそうになっていたのをハーブが止めてくれていた気がするとサルスは笑う。
「王族が男同士でまとまるなと嫁にいくその朝まで言い続けていたよ。懐かしい。」
城を去る姉を乗せた馬車を見えなくなるまでカルサと並んで見送った、その時の感情は今でも大切に心の真ん中に置いてある。
感謝の気持ちと責任の重さを、自分以上のものを背負う年下のカルサに対して生涯を捧げようと思った。
「分かりにくいだろうけどカルサは誰よりも繊細で傷付きやすい。だから気付く。君の考えも感情も全て筒抜けだと思った方がいい。」
エプレットの背中を冷たい汗がつたっていく。
精一杯分からないようにしていたつもりだが全て知られていたのだ、そしてそのことに気付きながらも何事も無いように接してくれていたのだ。
カルサはどんな気分で過ごしていたのだろう、居心地が悪い空気の中でもエプレットを追い出そうとすることは一切しなかった。
それは一体どういう意味なのかはサルスが明かす。
「俺の為になると思って…君を置いているんだろうな。」
サルスを敬愛していることは既にお見通しだったのだ、自分に向けられる敵意に近いものも全て分かった上でこの先を考えて我慢をしていた。
エプレットは自分が情けなくなりたまらず口元を手で隠した。
何か言葉を発してしまえば涙がこぼれる、しかし熱くなった瞼は既に感情を大きく揺さぶっていた。
「少しでもカルサを分かってくれたのなら精一杯助けてやってくれ。優し過ぎる国王陛下は君を捨て置くようなことは決してしない。」
「はい。」
やっとの思いで絞り出した声は震えて上ずってしまう。
気持ちを入れ替えよう。
自己中心的になってしまった心を整理して新たな気持ちでカルサに仕えようとエプレットが決意したその時だった。
二人しかいない執務室の扉を叩く強い音が聞こえる。
只事ではないその様子に一瞬にして室内の空気は緊張した。
「陛下!殿下!大変です!!」



