「陛下は既に殿下に渡す手立てを考えられているのでしょうか。」
「準備はしているだろうな。」
手元にある書類を見てサルスは答える。
カルサが不在の間はずっとサルスがカルサに扮して国王の役割を務めてきた。
それをもしサルスが自分の姿で務めていたとしたらカルサは決して戻っては来なかっただろう。
そのまま自らの存在を葬り去ることに躊躇いはしない、いつでもカルサは終わりを見据えていた。
それが明確になったのはカルサが目覚めてからだった。
明らかに国王の仕事をサルスに任せてくるようになったのだ、それは何も言わなくても伝わってきた。
後は頼むと。
「雷神としてのカルサの存在を目の当たりにしているエプレットが一番の理解者になるのは有難いと思っていた。聞いたことはないがナータックもおそらく深いところまで理解していたのだろうな。私の知らないことまでナータックは知らされていた筈だ。」
二人が並んでいるその光景は当たり前の様だった、包み込む空気は信頼の表れの様に穏やかで居心地のよさそうなものだったのを覚えている。
正直に言えばサルスはナータックに対して嫉妬心を抱いていた時期もあった。
自分が一番カルサを理解している、ずっとそう思い密かに誇りにして生きてきたのだ。
しかしある時期に感じた自分の中の異変にその考えは改まった。
近い人間には逆に言いにくいことも増えてくるのだと、強がっている自分を知られたくないという欲望があることを知った。
「私がこのまま王位を受け継げば、おそらくエプレット、君がそのまま陛下付の側近になるだろう。」
「え…っ?あ!」
「準備はしているだろうな。」
手元にある書類を見てサルスは答える。
カルサが不在の間はずっとサルスがカルサに扮して国王の役割を務めてきた。
それをもしサルスが自分の姿で務めていたとしたらカルサは決して戻っては来なかっただろう。
そのまま自らの存在を葬り去ることに躊躇いはしない、いつでもカルサは終わりを見据えていた。
それが明確になったのはカルサが目覚めてからだった。
明らかに国王の仕事をサルスに任せてくるようになったのだ、それは何も言わなくても伝わってきた。
後は頼むと。
「雷神としてのカルサの存在を目の当たりにしているエプレットが一番の理解者になるのは有難いと思っていた。聞いたことはないがナータックもおそらく深いところまで理解していたのだろうな。私の知らないことまでナータックは知らされていた筈だ。」
二人が並んでいるその光景は当たり前の様だった、包み込む空気は信頼の表れの様に穏やかで居心地のよさそうなものだったのを覚えている。
正直に言えばサルスはナータックに対して嫉妬心を抱いていた時期もあった。
自分が一番カルサを理解している、ずっとそう思い密かに誇りにして生きてきたのだ。
しかしある時期に感じた自分の中の異変にその考えは改まった。
近い人間には逆に言いにくいことも増えてくるのだと、強がっている自分を知られたくないという欲望があることを知った。
「私がこのまま王位を受け継げば、おそらくエプレット、君がそのまま陛下付の側近になるだろう。」
「え…っ?あ!」



