先輩と私。


「ヒロせんぱ……」

「……決めてた。
去年負けた時から……」

「え……?」


先輩はロッカーに手をついたままじっとあたしを見下ろす。


……その真剣な瞳に胸が高鳴る。


「……次こそは絶対勝って……そんで、お前の笑顔が見れるようにって」

「あたしの……?」

「お前にカッコいいとこ見せて……そんで、全部伝えようって。
……そう思ってた」


伝えるって……


……先輩の瞳にはあたしが映っている。

ただじっと……あたしを見つめている。



「……こんなネタバレしたらカッコ悪いけど……でも……」


先輩はあたしを見下ろしながら……ゆっくりと口を開く。



「……好きだ」