先輩と私。



「先……輩?」

「……お前にいなくなられると困るんだよ」

「ごめんなさい……。
でも、本当に必ず他の子を……」

「そうじゃなくて!」


先輩があたしの顔の真横にバン!と音をたてて手をつく。


先輩の顔が一気にあたしに近づく……。


背中に伝わるロッカーのひんやりとした感覚……。

先輩の真剣な眼差し……。


「……他のヤツなんていいんだよ。
俺はお前がいなくなったら困るって言ってんの!」

「え………」


先輩はまっすぐあたしを見つめる……。


「……お前じゃなきゃダメなんだよ」

「先輩、何言って……」

「……俺は梨乃に一番近くで見ててほしいんだよ」


……切ないぐらいに注がれるヒロ先輩の眼差し。


あたしに一番近くで見ててほしいって……。

それって……