「ヒロ先輩……」
「………………」
「……あたしも先輩のこと……す………!?!?」
……好き。
その言葉は最後まで言えなかった。
最後まで言う前に……塞がれてしまった。
……先輩の唇によって。
あたしは驚きすぎて目を見開いたまま先輩を見つめる。
「ごめん。
……けど、何か我慢できなくて」
「あ、あの……」
「ははっ、梨乃の口パクパクしてる」
そりゃしますよ!
だって、あんな……いきなり……
あたしが何も言えずにいると、先輩はフッと目を細めて優しげな表情であたしを見つめる。
「……好きだよ、梨乃」
「先輩……」
あたしも好きです……。
またその言葉は言えないまま………あたし達は誰もいない部室で唇を重ね合った――

