先輩と私。



……一瞬であたしの頭はフリーズする。


え……あたし、今告白された……?


あのヒロ先輩から……?


あの、ずっと憧れていた……ヒロ先輩から……?


「……だから、お前にやめられると困る。
……俺が、個人的に」

「個人的……?」

「いや、そりゃみんな梨乃のことは必要だと思ってるよ。
でも、俺はそれだけじゃないっつーか……むしろそれ以上っていうか………あー!もう!!」


ヒロ先輩はロッカーから手を離し、あたしから少し距離を取る。


「どこまで言わせるつもりだよ……」


そう呟いた先輩の顔は赤くなっていて……。

それは今まで見たことのない表情で……。



「だ、だって……まさか先輩がそんなこと言うとは思ってもみなかったから……」

「俺だって思ってなかったっつーの……。
……お前がやめるとか変なこと言うからだかんな」

「そ、そんなこと言われても……」


あたしもいろいろ迷った末に……。


「……でも………」


……あたしはゆっくりと先輩を見上げる。


「先輩にそんなこと言われたら……やめるものもやめられなくなっちゃいますよ……」