教室に戻ったら、
「おーい、澪!
どこに行ってたんだよー」
と声をかけられた。
この声の主は、萩村 蓮(はぎむら れん)だ。
こいつは、あたしが幼稚園生の時からの幼馴染で唯一男子の中で
喋れる人だ。
家が隣でいわゆる腐れ縁というやつだ。
そして今は席も隣である。
「どこって屋上だけど~」
「屋上だけど~じゃあねーよ!
高2にもなってサボりかよ」
「別にいいじゃん。
蓮には関係ないことだし」
キーンコーンカーンコーン
六時間目の開始を知らせるチャイムが鳴ったので席に座ることにした。
蓮が隣でブツブツなにかを言っているが担当の先生が入って来たため
無視した。