振り返ってみたら、知らない男の子が立っていた。

知らないってことは年下か...

「えっと...

 何か用ですか?」


あたしはどうしても初対面の人にはキツイ口調になってしまう。

もっと優しい言い方はなかったのかと後悔した。


「えっーと...

澪先輩にお話があるんですが、今いいですか?」


話か~、なんだろう...

早く帰りたいんだけど、まあ少しだけならいっか...


「わかった。

 あっ、蓮は先に帰ってていいよ~」


「ん、りょーかい」


そう言った蓮は、あたしに背を向けて校門に向かった。

あたしはその背中を少しだけ見送って、男の子に視線を向けた。