ねぇちゃんと廉先輩が付き合い初めて1か月が経とうとしていたある日、僕は屋上に乃江流に呼び出された。



 あれから僕とねぇちゃんの距離は開くばかり。



 僕は特に気にしてはいないけど、ねぇちゃんは負い目を感じているみたい。




 ねぇちゃんが幸せならそれでいいのに・・・




 「話って・・・なに?」




 日も暮れてきた放課後。



 夕焼けが僕らをオレンジ色に照らす。




 「実はさ、言うか言わないか迷ってたんだけど・・・」




 乃江流は、気まずそうに視線を落としながら言った。




 「ほら、結構前にお前のねぇちゃんがいじめにあってた時あっただろ?」




 第6音楽用具室でのあの光景。




 「うん、あったね。」




 僕は、冷静を保とうとした。