「渡したいものがあったんですけど、やっぱりこれは大事なものなので、自分で渡したいと思いまして」 僕はポケットの中のストラップを握りしめた そして笑うと、すみれのお母さんは「そう」と言い、立ち上がった 「もう、遅いでしょうからそろそろお帰りになったら?」 すみれのお母さんは玄関に向かうと、そう言った