僕は、ねぇちゃんのヒーロー。【完】





 「いつか、ねぇちゃんを守れる強いヒーローになれますように、」




 僕は、そう呟いて目をギュッとつむった。



 雨の音だけが響く暗闇。




 『かんたー』




 あぁ、幻聴が聞こえる。



 どれだけ、僕は臆病なんだろう。



 なんてちっぽけなんだろう。




 『かんたー!』



 さっきよりも大きく聞こえてくる幻聴



 暗闇の中に声だけが響く。




 「かんた!!!」