僕は、ねぇちゃんのヒーロー。【完】




 「かんたっ!!」と、叫ぶねぇちゃんの声を背に、僕は無我夢中で走った。



 すると、水溜まりの中に隠れていた小石につまずき、泥だらけの道端にずっこけた。



 小学校の制服も泥だらけになり、膝からは血がにじんだ。




 それでも、僕は立ち上がりヒリヒリと痛む膝をかばいながら歩いた。




 階段を一歩ずつ、ゆっくり上がりたどりついたのは小さな神社。