「僕はさ、ねぇちゃんといるのがほとんどだったから、それのせいかも知れないけど、ねぇちゃんを弟として守ってやりたい、って思うんだ。」 乃江流は、何も言わず僕をじっと見て話を聞いている。 「のんちゃんも知ってるだろうけど、僕のお母さんは政治家で家にほとんどいないんだ。お父さんも3年前に死んじゃったし。」 僕はピンをはずし、そのピンを握りしめた。 「だから、ねぇちゃんには少しでも幸せになって欲しい。 誰がなんて言おうと、僕はねぇちゃんの味方だから」