僕は、ねぇちゃんのヒーロー。【完】





 「はっきり言うが、それは『恋』だ

 でもな、相手はねぇちゃんだ。苦しいと思うけど、ちゃんと心の内に秘めとけ」




 乃江流は僕の胸を拳でトントンと叩くと、寂しげに微笑んだ




 祭りの中心部からはダンスや、演奏で盛り上がっている



 僕らはその遠い音を静かに聞いた




 叶わない、




 そんなことはわかっている



 でも、押し殺そうと思えば思うほどこの恋心は次第にふくらんでいく