僕は、ねぇちゃんのヒーロー。【完】

 「いや~すげぇ美人だなって思ってさ」


 そいつはニヒっと白い歯を見せた。



 「そうかな、でも優しくていいねぇちゃんだよ」



 僕も笑ってみせた。



 
 本当は僕が一番ねぇちゃんのことを美人だと思っているくせに。




 「そかそか!いや~俺、好きになっちゃいそ~」




 そいつはイタズラっぽい顔を僕に向けた。



 「やめてね?ねぇちゃんは僕のものだから」



 僕は、冗談っぽく言った。