僕は、ねぇちゃんのヒーロー。【完】




 「ど~れ、つけてあげる♪」



 僕はねぇちゃんの長い黒髪に手を伸ばした。


 ほんのりと甘い香りがただよう。



 「んじゃ、わたしも幹汰につけるね」



 ねぇちゃんは僕の前髪を上げて、そこに自分と同じピンをつけた。




 『かんせ~い』




 二人かぶったセリフに笑い合う。


 幸せな朝だ。


 こんな日がずっとずっと、絶え間なく続けばいいな、、