「幹汰ー!早く早くー!!」 ねぇちゃんは僕の自転車をササっと出し、サドルをパンパンと叩く。 「はいよー♪」 僕は急いでねぇちゃんのもとへ駆け寄った。 「あれ、ねぇちゃん。ピンは?」 ねぇちゃんがいつもしている黄色のピンがなかった。 「あ!忘れてた!・・・って、幹汰もね」 ねぇちゃんは僕の頭をコツンと叩き、ポケットからいつものピンを出した。