「おい、おい。どうしたんだ?」
そういいながら、哲司は沙也加を抱き締めた。


「いいの......哲司、愛してる」


沙也加は目にいっぱい涙を溜めて哲司を見た。


「いつも、忙しくてさみしい思いさせててごめんな」



「そんなことない!そんなことない......」


「沙也加、答えずに聞いてな」


......えっ?


「沙也加に、キケンな恋心を抱かせた、俺が悪いんだ」


......えっ?


......哲司......もしかして......


「帰って来てくれて、ありがとう」


「......哲司......」


「2人で飲み直すか!」


沙也加はまた泣きじゃくった。



哲司は沙也加の気が済むまで、泣きじゃくる妻の頭を撫でた。



そして、哲司が用意して置いたシャンパンを2人のグラスに注いで......カチンとグラスを合わせた。


沙也加のキケンな恋にピリオドを打つように......