「それじゃぁ今から自由にペアを作りましょう」

「・・・新手のいじめですか」



先生が意気揚々と言ったその言葉に、あたしは深い深いため息に音を乗せて呟いた。

ついに入学して一週間が経った金曜日。

案の定、学校生活は地理も勉強もすべてにおいてちんぷんかんぷんだった。

あの女たちのせいで、あたしに近づいて友達になろうとする人はゼロ。

みんな遠巻きに見てコソコソ話してるだけ。

・・・なんとか聞き出したら、あのキツイ顔した女の子はこの教室のボス的存在だったらしい。

そりゃやらかしたわ、と思ってもいまさら遅いんだけど。

そんなこんなで、なんとか死に物狂いで毎日を機械的に過ごし、

今日の6限でひとまずの休息が待っている、と意気揚々と望んだこの授業で・・・ラスボスがいましたよ、えぇいましたとも。



「鈴様、お気を確かに」



こそり、と後ろに立っていた沙希に耳打ちされる。