Sの法則-平凡姫と俺様SP-




「わたくし、宇佐美 恵実(うさみ めぐみ)よ。

彼女たちは伊集院 春歌(いじゅういん はるか)と風間 桜子(かざま さくらこ)」



ご丁寧にどうも。とあたしなりに謙虚に言ってみたけれど、逆にそれが逆鱗に触れたらしい。

彼女は「ホント気に障る子」と忌々しそうに呟いた。

だったら話しかけてこなければいいのに。

大体わざわざここまで来て一体あたしに何の用があるんデスカ。

彼女はさっきと同様舐めまわすようにあたしを見て、それから眉を寄せた。



「見れば見るほどダサイわね」

「な!」



いきなり来て言う言葉がそれか!

口をぽかんと開いた間抜け面を見て、彼女は「だってそうでしょう?」と首を優雅に傾けた。



「顔普通」

「う」  ぐさっ

「オーラもない」

「ぐっ・・・」  ぐさっ

「立ち振る舞いもひどい」

「・・・っ」  ぐさっ

「品格ゼロ」

「・・・」  ぐさっ

「あなた、どうしてそれで神谷の人間なの?」



あまりに辛辣な言葉の刃にもだえ苦しんでいたけど、最後の言葉でぱちくりと目を瞬かせた。

なんでそれを、と顔に書いてあったんだろう。

「本当に恥ずかしいくらい無知ね」と嫌味を吐いて、彼女の真っ白な指先がすっとあたしの左胸を刺した。