さも当然と言わんばかりの彼女の様子に、かちんと来る。
「それで?」と偉そうに言われたことにさらに堪忍袋がプチンと音を立てた。
「・・・貴方がそう思うのは勝手だけど、沙希を一緒にしないで」
そう言いきった瞬間、ざわついていたクラスはまた静寂に包まれた。
友達出来ないことにショックを受けていたことなんて、完全に今のあたしの頭からは吹き飛んでいる。
“お嬢様”というのがこういう考え方の人ばかりなら、そんな友達こっちから願い下げ。
軽く睨みつけて言い返したあたしに、「なっ!!」と彼女は怒りで顔を朱に染めた。
「鈴さ「この人は長瀬沙希。あたしの専属SPだけど、物扱いしたら絶対に許さない」
呆れたようにあたしを止めようとした沙希の胸をばんっと平手で叩いて、あたしはそう啖呵を切った。
彼女の怒りに満ちた目力も相当なものだけど、このことに関しては絶対に引くもんかって思った。
「っ、わたくしに刃向かったこと、後悔するわよ・・・!!」
悔しそうに奥歯を噛みながら彼女はそう言って、けれどすぐ「ま、そんな威勢がいいのもすぐ終わるわ」と態度を変えて椅子に座った。

