とりあえずパレットをしまおう!と思いながら両手で出来る限りのパレットと筆を持ち始める。
(あぁぁなんで今日に限ってこんなに出しちゃったんだろう!)
とは言え慌てるとどんどん悪循環になってくもので、上手く持てずに筆を落としちゃって、それを拾おうとして今度はパレットを落とす。
何やってんだあたし、ホント泣きそう・・・
そう思っていると、不意にしゃがんだまま固まったあたしの手からパレットが消えた。
「え?」
「仕方ないからやってあげる。さっさと行ってくれば?」
明日、デザートぐらい奢りなさいよ。
表情ひとつ変えずにそう付け足しながら、由美はあたしの手から次々に筆を取り上げていく。
「持つべきものは理解のある親友だね!由美!」
「ほら、さっさと手洗って行きなさい。
私の作ってあげた時間無駄にしたらぶっ飛ばすよ」
「行ってきまーす!!」

