「ずいぶん頼りになるしっかりしたお嬢さんということも聞いた通りね。
まぁいくら健康的とは言え、病み上がりなんだから座ったらいかが?」
健康的、という言葉が地味に胸に刺さる。
どうせそんな湾曲的に言ったってあたしの超人的な回復力のことでしょ。
ここしばらくの間で、ずいぶん卑屈になったなぁ。(間違いなく沙希のせいだ!)
あたしは「お言葉に甘えて」と言って校長先生と向かい合うように設置されたソファに腰を下ろした。
「ほら、沙希くんも」
「私めはSPですから」
校長先生は沙希にも座るよう指示したけど、沙希はやんわりと断ってあたしの後ろに立った。
そして、校長先生に見えないようにぽんっと背中を叩かれる。
あーはいはい。背筋伸ばせってんでしょ、分かってるから。
「さて、聞いているかもしれないけど、少し学校の制度の話をさせてもらうわね?」
そんなあたしたちのやり取りになんて一切気付いてない様子で、校長先生はあたしの目を見つめて微笑んだ。(にしても神谷の血筋って超美系)

