こ、こいつあたし以外の人がいる前でもついにこのキャラ出したな・・・っ!!
見た!?という意味を含めてふり返ったら、何故かお母さんが目をキラキラさせていた。
あぁ、ホント嫌な予感。
「良かったわね、きっと鈴ももうちょっと女の子らしくなって帰ってくるわね!」
ちょっと、仮にも母親なら娘がこれからお世話になる人に叩かれてるの見て心配してよ!
続けてお兄ちゃんが「そういえば女だったな」とか、お父さんが「まぁ鈴には限度がありそうだけどな」とか失礼なことを言っている。
あぁ、もうホントあたしってこんな痛い扱い受ける子だったっけ・・・?(っていうか感動返して)
「さぁ、時間ですね」
沙希はそう言ってあたしの頭をぐわしと握りつぶすように掴むと、車の中へ押し込んだ。
その勢いで後ろにひっくり返っていることなんてものともせずに乗り込んできて、沙希は斜め向かいに座る。
この扱いを受けて女の子らしくなれるか、疑問なんですが。
本当にいろんな意味で泣きたい衝動に駆られてるあたしなんて置いて、車のエンジンがふかされる。
そしてゆっくり車は動き出した。

