「沙希のバカ!邪魔すんな!」
「邪魔?何のことです?」
「せっかくあたしと喋ってくれる人見つけたのにぃぃぃぃっ!」
分かってるくせにしらばっくれる沙希を前に子どものように地団太を踏むあたしを見て、
沙希は一瞬キョトンとして、それから、
「今私が鈴様と喋っているではありませんか?」
と言った。
確かにそれはそうなんだけど!そうじゃなくて!
いや、あたしの怒りの意味も分かっているくせにわざとらしいことこの上ない!
「そうじゃなくてn「鈴様?」
あたしの言葉をまた遮る沙希は間違いなく故意で、その笑顔の意味に気付いた瞬間冷や汗が背中を伝った。
この顔見たことある・・・ううん、つい昨日、 見た 。
デジャヴに、体が警報を鳴らしたせいで考えるより早く固まってしまう。
そんなあたしに満足したようにくっと目を細めて、彼はあたしに顔を近づけた。
「鈴様は、私が認めた方以外と接触してはいけませんからね?」
「んなっ!」
「いつどこからどんな形でそのお命を狙われるとも限りませんから」
正論ぶった言い方してるけど、だ、だからっていくらなんでもそんな無茶苦茶な・・・っ!
「私が法律です。以上」

