Sの法則-平凡姫と俺様SP-




そう、今はせっせと引っ越し作業員の肩によって運ばれている、さっきまで山積みになっていた段ボールの中身はあたしの私物。

そして見送りに来てくれてるお母さん、お父さん、お兄ちゃん、そして由美。

ただ、あたしの荷物を運び出すためだけだというのにおびただしい量の人・トラック・そしてなぜかリムジンが来てるものだから、

何事かと言わんばかりに御近所さんも集まって来ちゃってるけどね!

(てか何このトラック量!荷物すくないあたしバカにしてんの!?実際一台分の奥にちまっと段ボールが入ってるだけじゃん!)



「だって常識的に考えろよ、バカ。

ここからバカがその学校に通うのも大変だし、沙希さんにうちに住んでもらうわけにはいかないだろう?バカ」

「バカバカうるさいよ!同じ遺伝子から成り立ってるくせに!」



ただでさえイライラしている中、カチンとくるお兄ちゃんの言葉に真正面から噛みつく。

勢いそのままに八つ当たり気味で叫ぶと、何故かお母さんに「悪かったわね!」と怒られた。